お客様にオーダーいただいた新作が完成しました。
モデル:「椿」
トップ:アディロンダックスプルース
サイド・バック:ブラジリアンローズウッド(ハカランダ)
お客様と相談の上、ハカランダの幾何学ロゼッタをデザインし、カリンバールの赤色と青色の部分をアクセントにあしらいました。
ヘッドストックにもハカランダを採用、刺激的な木目のハカランダを贅沢に、木理を楽しめるようインレイはなしにしました。
音色の面では私自身、達成感のある仕上がりとなりました。
昨年9月ごろからさらに改良を始めた低音レンジへのアプローチが成果として表れています。
トップ材のアディロンダックは一番厚みがあるところで3.5mmありますが、音の腰は強く、低音のレンジは広く、音圧やダイナミクスに優れ、しかしトレブルの煌びやかさはしっかり確保する、そんな要求を叶えるためのブレーシング構造を挑戦してきました。
成果の一番の要因はフィンガーブレースの形状にあるのですが、これは低音弦のハイポジションでの音色の維持、サスティーン向上にも繋がりました。
バック材の厚みコントロールやブレーシング形状も変化がありますが、こちらは長くなるのでまたの機会に。
そんな内部構造の進歩に加え、このギターのサイド・バック材は柾目の極上ハカランダ。材のポテンシャルも重なってとても良い音色のギターになりました。
今年はこの新たな「つくり」を基礎に据えて、ギターを作っていきます。サウンドメッセや東京ハンドクラフトギターフェスにはこの進化した音色を体感していただけるはずです。
さて、このギターをお客様にお渡しするのが楽しみです!